昇降口から出ると、冷たい風が私の肌を刺激する。 「………寒…」 私はそれだけ言ってマフラーに顔をうずめる。 歩いて家に帰る。 これも普段と変わらない。 でも今日は、 いつもと違う道を通って帰りたい。 そんな気分だった。 この時、いつも通りの道で帰っていたら、こんな事にはならなかったのに。