狼彼女のお気に入り




憐side───






会長に告白したあの日。



返事なんて期待していないけど



それでも少し、ドキドキしたりもしたのに…






「…何のご用ですか」


「嫌だな。そんなに睨んじゃって。」



家に帰ったら“あの人”がいた。



にこやかに笑っているように見せる姿はお父さんそっくりで



そんな態度に嫌気がさす。



「…用がないなら帰ってください。お兄ちゃん」


「用ならあるよ。憐に忠告をしにきたんだ。」



“忠告”───…



そろそろ来ると思ってた。



いくらいつもは関係ないと言っていても、所詮あたしはあの家の人間だから。





「分かるだろう?憐だってもう、17になる。そろそろ自覚を持ってもらわないとね。…家のことも、自身のことも。」


「わかってますよ。嫌って言うほどに。」



切りたくても切れない。



あたしとあの家はそういう関係だから。



頭でわかってはいても、どうしても素直に従うことは出来ない。