狼彼女のお気に入り




少し企んだように笑う篠田の顔がぐっと近づく。



「ねぇ、会長──



あたしのこと、好きでしょ。」


「…自意識過剰だ。」


「そう?大ハズレ…ってわけでもないと思うけど。」



そして何を思ったか、俺からスッと離れていった。



ん〜、と欠伸をする篠田。



それだけなのに妙に色っぽい。



真黒の長い髪が風になびかれて、篠田は面倒くさそうに前髪をかきあげた。



屋上のフェンスから外を眺める篠田は、ため息をついた。



「…あの子が羨ましい。」


「あの子…?」


「ね、会長。……あたしだけの特別が欲しいの。」



そう言って篠田は寂しそうに微笑んだ。










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