狼彼女のお気に入り




校内の自動販売機で買った飲み物を取っていると、急に柴原が俺の目線に合わせてしゃがみこんだ。



「会長♪会長はテストが見つかった方が良いですか?」


「当たり前だろ。」


「ハハッ、そうですよね。…犯人、誰なんでしょう……。」



独り言のようなその呟きに、俺は飲み物を取り出していた手を止めた。



犯人、か…



この学校内にいるとは思いたくないが



犯人はこの学校内の人間としか考えられない。



「はぁ…」



嫌な話だ。






「…あれ……会長。あれって憐先輩ですよね…?」


「あ……そ、そうだな。」



柴原が指差す先には、篠田が窓の外を見て立っていた。



あんなところで……何をしているんだ?



篠田は俺達に気付くことはなく、どこか遠くを見ているようだ。



「……柴原。」


「はい?」


「お前、これ持って先に行っとけ。」


「………分かり、ました。」



柴原が職員室へ戻っていくのを見送って、篠田の方へと向かう。



「…篠田」


「……ん?あ、会長。」