翌日から モルヒネの投与がなされた。

あんなに 苦しんでいたのが 嘘のように 穏やかな表情で誠がベッドに横たわっている

こんなことなら なんで 早くモルヒネを投与しなかったのだろう・・・

そんな風にも 美咲には思えてしまうくらいだった・・・

「今日は 苦しくないんだね・・・」

「うん・・・」

「こんな 穏やかなマコの顔 何日ぶり?」

「何日ぶりだろうな・・・・」

モルヒネが 自分に与えてくれる こんな風に穏やかな日はどのくらいもつのだろう。

そう 長くはないだろう・・・・

モルヒネ投与の限界は俺の人生の限界なんだ・・・・

「ねぇ・・・マコ 今日は 花火大会なんだよ・・・」

「そうか・・・気分がいいから 見に行きたいな・・・」

「そう言うと思って 病院に頼んで VIP席用意してあるんだよ。」

「どこ?」

「屋上」

「えっ?だって・・・・屋上は・・・・」

「そう・・・無断で入れません。」

「病院も 美女の涙には弱いのよ。」

「誰が 美女だよ・・・・」

「もちろん。 あたし!!」

「おいおい・・・・」

「おいおい・・・なにさ・・・・」

「いえいえ・・・」

「ふっふ・・・・」