「俺さ、この前 お袋に 美咲の人生に 無責任に関わってしまったようで
 後悔してるって・・・話した」

「そしたら?あいつはなんて? そんなことないって言わなかったか?」

「どうして? あ・・ひょっとして ちゃんと 夫婦の会話できてる?」

「いや・・・幸子ならそう言うんじゃないかと思ってね。」

「なんで?」

「まぁ・・・美咲ちゃんほどではないが、彼女も 若い頃 
 似たような経験してきているからね・・・」

「えっ?お袋も 好きな人 亡くしてるの?」

「愛する人・・・と言った意味では 同じだろうな・・・・」

「恋人・・・」

「お兄さんだよ・・・・バイク事故である日 突然な・・・・」

「あ・・・聞いた事はあったな・・・・」

「誠・・お前が 美咲ちゃんの人生に無責任で関わったなんて
 絶対ありえないんだよ・・・・彼女の人生に おまえは用意されていた
 人だったのだし、お前の人生にとっても 彼女は 必要な人だったんだから。」

「そうか・・・・なんか、親父にまで そう言われて 気が楽になったよ」

「なんか、お前に初めて 親父風ふかせられたような気がするな。」

「本当だね・・・・」

「ふ・・・こいつ・・・・」

父と息子・・・・

2人の風景がセピア色に 染まって見えた・・・・・