「時間が無いかもしれない・・・ってどういうことなんだ?」

「彼・・・病気なんです・・・・」

「えっ?」

「骨肉腫なんです・・・・左足を切断しないといけないんです。でも、
切断しても 転移の有無はわからないって・・・・お父さん・・・
彼のそばにいてあげたいんだけど、駄目かな・・・・・」

「彼はそうして ほしいってかぁ?」

「ううん 彼は 私にそんなことして欲しくないって言うと思う・・・」

「だったら・・・・」

「私がしたいの・・・・」

「お父さん・・・彼の傍にいて 美咲が得るものがあるなら・・・・
そうさせてあげたら・・・・」

「お母さん!!」

「慶子・・・・」

「雪菜にも言われたじゃないですか・・・・少し 美咲を信じて
距離を置いて見てあげたらって・・・・その代り 美咲・・・
どんなに辛い事があっても、せめて 高校だけは ちゃんと卒業してくれない?」

「わかった・・・・約束する ありがとう。お父さん お母さん」

美咲の言葉を聞いて 新造が呟いた。

「はじめて おまえの口から こんな風に お礼の言葉を聞いたな・・・」

「美咲の事そんな風に 穏やかにしてくれた 彼の時間が少しでも延びるといいわね」


初めて 両親と向き合えたような気がした・・・・

マコさん・・・・


少しでも長く彼の元に・・・・

美咲は 今の出来事を早く知らせたくて 病院へ向かった。