その晩 新造と慶子は遅くまで 美咲の事で話し合った。

本来ならば 美咲を交えて3人で話し合わなければ

進展など望めるはずもない話であることぐらいは2人にもわかる。

美咲自身も 自分達親が 想像もつかないところで 

彼女なりの 悩みは持っているのだろう・・・

それも わかっていた・・・・

だが 親への反発もあるだろう・・・

自分達の気持ちは多分 今の美咲には通じない

慶子と新造もまた 娘としての美咲を愛するがゆえのむなしさを感じていた。

親の思うところの「愛情と信頼」

娘が感じている 「愛情と信頼」


大きな隔たりを 新造と慶子も感じていた。

ただ・・・気がついていなかった・・・・・


自分達の愛の方向性が 何処に向いているのか・・・・

振り返ることは 親として子供の前でしてはならないようなきがした。


親は 子供の前に絶対に正しい姿を見せているべきだと思っていたし、

弱い姿は見せてはいけないと思ってきた。

世間でいう 「友達のような 親」そんな関係は絶対許されないと思ってきた。

威厳の意味をどこかで履き違えている・・・・

それに 新造と慶子は気がついていなかった。