期日までに今後の人生を考えられない人間は、まるで失格者のような扱いだ。


けれど、焦れば焦るほど、それはより深みにはまっていく。


あたしは不適合な欠陥品だろうか。


ちゃらちゃらと遊んでいるだけの梢や乃愛だって、それなりに就職や専門学校を選択しているのにね。




【ドライブ行かない?】

【カレシ出来たー!】

【今日会える?】




最近では返信することも馬鹿らしくなり、そのまま削除することが増えたメール。


空いたフォルダと同じくらい、空っぽなあたし。


廊下の掲示板には模試の日程が貼り出されていて、生徒達が群がっていた。


息が詰まるよ。



「リサ、担任に呼ばれたって?」


梢が笑いながら近づいてきた。


お気楽なその顔には苛立ちが募る。



「進路表なんて、適当に書いて出せば良いのに。」


「この前フリーターになるって書いたら怒られたんですけどー。」


「何それ、ウケるし!」


人一倍うるさくて派手な彼女は、廊下で悪目立ちする。


掲示板を眺めていた生徒達は、迷惑そうな顔でこちらを一瞥し、通り過ぎた。


大して偏差値が高くない学校なのに、真面目ぶらないでほしいものだけど。



「なら、気分転換にカラオケ行かない?」