わかっていたことだけど、タカがあたしに連絡を寄こすことなんてない。


だからあたしから関係を築こうとは思わなかった。


乃愛とのくだらない話を終え、5時限目を過ぎた頃、遅刻して梢がやってきた。


それからすぐに放課後を迎えた。



「ねぇ、ふたり今日暇でしょ?」


言い出したのは、もちろん梢。



「あたし超金欠でさ、ちょっと小銭稼ぎに付き合ってくんない?」


それの意味するところは想像に易い。


一度乃愛と顔を見合わせ、良いよ、と返した。


梢はその瞬間に目の色を輝かせ、すぐに携帯を取り出し電話を掛ける。



「もっしー、佐藤ちゃん。
今日、あたしとリサと乃愛の分、良い?」


佐藤ちゃん、というのは、誰だったかの繋がりで知り合った、元・風俗嬢の自称27歳。


彼女は大人のオモチャを扱う店を経営しながら、裏ではもっと怪しいものを売っている。



「じゃあ、6時半にいつものとこで!」


確認だけの電話切った梢は、こちらにオッケイの丸を作って見せる。



「リサも乃愛もサンキュ。」


そう言ってから、行こう、とあたし達に促した。


学校から5分と少し歩けばもう、そこは駅からすぐの場所に広がる繁華街だ。


あたし達は迷うことなく下着屋に入る。



「佐藤ちゃんが、セクシー系で頼むってさ。」