「リサ、今日どうする?」


放課後になり、お決まりの梢の質問。


暇な日は、ほぼ毎日のように学校帰りに街に繰り出して、遊び呆けているのだが。



「あー、ごめん、パス。」


「マジで?」


「うん、ヤスと会うから。」


「あぁ、あの先週からメールしてるヤツ?」


「そうそう、写メ送ったらしつこくてさ。」


あたしの言葉に梢はゲラゲラと笑いながら、いつか刺されろー、なんて言う。


まぁ、出会い系で知り合った男なんて、奢らせてアシに使えば良い、くらいにしか考えていないあたしなので、それはあながち笑い話にはならないのかもしれないけれど。


でも、そんな風にしていなきゃ、虚しさを拭うことが出来ないんだ。



「リサは出会い系の鬼だからね。」


「いやいや、梢さんには負けますから。」


「てかさ、格好良い人だったら今度みんなで遊ぼうって言っといて。」


「ほーい。」


類は友を呼ぶ、とでも言えば良いか、あたしと梢は、揃ってろくでもない遊びを繰り返していた。


とにかく刺激が欲しくて、常に何かを探していたかった。


自分の中に渦巻く焦燥感と不安感に駆り立てられるように、あたしは出会い系にも依存しているのだろうけど。


愛なんて信じないと思う一方で、人一倍愛されたいと望むあたしは、一体何だろう。



「んじゃあね。」


梢と別れ、あたしは街へと繰り出した。