やっと長かった期末試験が終わったのは、あの日から4日後だった。


元々勉強なんてしないあたしは、毎晩のように一夜漬けをしていたし、正直解放されてどっと疲れが押し寄せてきた感がある。


なので真っ直ぐタカの家に帰り、そのまま仮眠を取った。


つもりだったが、彼によって揺すり起こされた時には辺りは真っ暗で、夜になってしまっていた。



「お前、全然起きねぇんだもん。」


タカは笑いながら、まだ少し意識がまどろんでいるあたしに絡まってくる。


この人と、あれ以来互いのことで深い話なんてしていない。


と、いうか、あたしも試験があったし、タカも仕事だったから、ほとんどまともに顔を合わせてはいなかったというだけだが。



「なぁ、久々にどっか食いに行かね?」


なんて言いながら、彼はあたしの体をまさぐってくれる。


どうして出掛ける話をしながら、人の服を脱がせるのか。


たまにタカの体から香ってくる、知らない香水の匂いが嫌だった。


そこに身も知らない女の影が見えている気がして、どうしようもない気持ちにさせられてしまうから。


なのに、いつもあたしは、彼自身を受け入れてしまう。


互いに拒絶されることを恐れるあたし達は、弱さばかりを重ね合わせることしか出来ないのかもしれないけれど。



「タカ。」


その名を呼び、引き寄せるように腕を回して、背中に爪痕を残した。


痛みの上から痛みを塗り重ねることでしか、あたし達は楽になれる術を知らないから。


部屋を舞うあたしの嬌声は、まるで泣き声のようだった。