いちごキャンディー

リビングへの戸を開けると、そこではお茶会が始まっていた


「桃真くん、あの子ちゃんと出来てる?」

「しっかり教えてあげなさいよ?!」


母さんと空澄のおばさんがケーキを食べながら紅茶を飲んでいる


『大丈夫だよ、なんだかんだでちゃんと理解してるみたい!!』


おばさんにそう答えて台所に入った

冷蔵庫を開けトレーにコップを二つ用意して、麦茶を注いだ

ダイニングテーブルに置かれた瓶の中から適当な数の飴を掴んでトレーに乗せた


『じゃあ、おばさん空澄のことは俺に任せて、ゆっくりしてって!』


そう告げて部屋に戻る


――ガチャ


『出来たかぁ?』


トレーを机に置いて空澄のノートをのぞき込んだ


「一応‥」


そう言いながらも腕でがっちり隠している


『見せろよ!!』

「‥‥はい。」


しぶしぶ腕をのけた空澄は俺の持ってきた飴に手を伸ばしていた


『‥うん……あってんじゃん!!』

「ほんとっ?!よかった!」


そう言って笑った空澄の口から飴玉が落ちて、部屋のフローリングが音を立てた


「あ…(笑)」

『汚っ!!』


空澄は急いで飴玉を拾い上げてティッシュにくるんだ