榊と付き合い始めて少しの時間が流れた


登下校こそ一緒にしなくなったものの、空澄とも普通に接している


そして、今日は終業式
明日から長い夏休みが始まる


「なぁ、夏休み榊とどっか行くの?」


終業式も終わって、帰りのHRが始まるまでの時間に隆平が聞いてきた


『ん?あぁ、特に決めてないけど?!受験生に楽しい夏はないんだーって言ってたし?(笑)』

「‥今まで怖くて聞けなかったんだけどさ、お前志望校どこ?」


俺がそう話すと、隆平は神妙な顔で聞いてきた


『一応、浅黄学園だけど?』

「お前さ、サラっと言ったけど浅黄っつったらめっちゃ名門じゃん!?」


信じられねぇ!!と言う顔の隆平に言葉を返す前に、担任が入ってきてHRが始まった


10分ほどして成績表が配られて、最後に夏休みの注意事項を聞かされHRは終わった


――パラッ

俺が何気なく成績表を開いて確認していると、横からのぞき込んできた隆平が奇妙な声を上げた


「ぐぉっ!!こんな漫画みたいな成績初めて見た!!ちょっ、りっちゃん!りっちゃん!」

「なにぃ?」


この驚きを誰かと共感したいのか、近くにいた梨子を手招きし呼び寄せた隆平