いつもの朝は俺が空澄の家の前で空澄からの

“おはよう”を待っているのに


『……』


今朝はいつもとは違った


「ぁ…おはよう…」

『…何してんの?』


家を出た俺を

空澄の“おはよう”が待っていた



「いつも待たせちゃうから…今日は待ってた。」


そう言った空澄の笑顔はいつもとは違い、表情が硬くてぎこちなかった


『ふーん…待たなくてよかったのに。』


自分の口から出る冷たい言葉に嫌気がさす


「でも、いつも待たせてるから…ね!」

『そういう意味じゃないよ。今日は待つつもりなかったし。』


そう空澄に告げて、俺は学校に向かって歩きだした


「…ももちゃんっ」

『……』


俺の少し後ろを着いてくる空澄

きっと俺が普通の速度で歩くから、追いつけないんだ


いつもは少しでも長くこの時間を過ごしたくて、空澄に合わせてゆっくり歩くから…


それでもいつもは短く感じる時間が

今日はとても長かった…


学校について、すぐに空澄に言った


『…今日から登下校は別々な。』

「ぇっ……うん、わかった。」


空澄はそう言ってただ笑ってた