「はよっ!」

『おぅ、おはよ!』


教室に入るとすぐに朝の挨拶をする隆平

顔をのぞき込んできだと思えば


「まだ落ちてんの?それとも別口?」


なんて言ってくる。


『別口!だけど関連してないこともない。』


と、だけ言ってやった。


「…何があったんだよ?」

『…んー……』


一瞬迷ったけど、こいつからは逃げられないだろうと思い、さっきの話をしてやった


「やってくれますね、空澄ちゃん(笑)好きな子に女の子紹介されたら落ちるわ。」


ぽんぽんと俺の肩を叩く隆平の手を払いのけながら


『はぁ…』


一つため息をついた


「ため息ついたら幸せ逃げちゃうよ(笑)?」


そんな俺に声をかけたのは隆平じゃなくて


『青田か…』

「ちょっとぉ日高くん、それひどくなぁい(笑)?」


青田 梨子《アオタリコ》

三年になって同じクラスになった

隆平と同じ小学校だったらしく、やたら絡んでくる


「りっちゃん、今こいつ落ちてっから反応薄いんだよ(笑)」


隆平は“りっちゃん”って呼んでるけど、俺にはどうでもいい事だ


「えー!?何かあったのぅ?」

『別に…』


俺、青田のノリは苦手なんだよ…