こんな時だけしっかりしてるよなぁ…


『…そうだなぁ……』


空澄のバカさ加減をネタにして、笑って誤魔化して流そうと試みた桃真だったが…あえなく失敗したようだ。


「若葉はすごくいい子だよ!美人だしスタイルいいし、頭もいいの!しっかりしてて、優しいし!それに美人だし!」


俺が考え込むと頼んでもないのに榊のセールスポイントを教えてくれた。


『お前、美人って二回言ったぞ?』

「そんな事はいーのっ!!」

はぐらかしてばっかりの俺にだいぶ苛立ってきてるようだ…


『はいはい、わかりました。いいよ!そのかわり二人じゃ行かない!』


本当は乗り気じゃない。けど、空澄があまりに必死だから条件付きで了承してやる事にした。


「わかった、そう伝えとく!ありがとう!!若葉よろこぶよ!」


そうやって笑うお前も、すごく喜んでるように見えて…

友達思いな優しい空澄も好きだけど


『おぅ…』


…切ないよ









「じゃあね!」

『あぁ!』


いつものように学校に着くと二人の時間は終わり

少し機嫌の良い空澄は、すぐに教室へ向かった