空からはふわりふわりと雪が落ちてくる。天使の羽の様だと空澄がよく言ってたっけ。


「ねぇ、教えてよー!!どこ行くの??」

『内緒だって。』


そう答えた俺に納得してない顔を見せる空澄


静かに降る雪は冷たく、髪に触れて輝く。

吐く息は白くて、見ているだけで寒かった。


それでも繋いだ手は、暖かくて心地いい。


目的地まで歩いていると空澄がサクサクと雪を踏みつける足下を見つめ話し始めた‥‥


「ねぇ、ももちゃん。」

『んー?』


休みだからなのか、人が見あたらない。

この住宅街には俺たちが歩くサクサクという音しか聞こえない。


「私ね、クリスマスに雪が降ったら…ももちゃんに好きって言おうって決めてたんだぁ…」

『は?』


話し出した内容に驚いた。


「朝起きたら、まだ降ってた…。」

『‥‥降ってない方がよかった?』


空澄の口調から少し不安を覚えた俺はそう聞き返した。

お互いの視線が合うことはなく、サクサクと鳴る足下だけを見つめていた。


「…うん。」


そう答えた空澄にショックを隠しきれない俺。

そんな俺をよそに、空澄は話を続けた。


繋いだ手に少し力がこもった。