空澄と並んで歩きながら俺はにやけていたみたいで、未だ状況を把握できていない空澄に説明を要求された。


「何で帰るの!?ばいばいも言ってないー!!」


不服そうに頬を膨らませブーブー言ってる空澄。


「あいつら両思いなんだよ(笑)」


事情を説明すると今度は嬉しそうに笑った。


「えっ!?嘘っ!!そっかぁ…両思いだったんだぁ(笑)」

「…あっ!!」

「っ!!何?!」


俺が急に声をあげたもんだからビックリして空澄の肩が跳ねた。

立ち止まって少し考える仕草をした俺を目を丸くして見つめている。


「隆平が選んだプレゼント!!」


俺を見つめている空澄に顔を向けて言った。


「あの十字架の?あれがどうかしたの?!」


白い息を吐き出しながら俺を見つめる空澄。

俺の吐く白と重なった。


「ツリーまで青田と歩いててさ、青田が目をとめてた物って少しごつめのアクセサリーばっかりだった。」


また歩き出しながらそう言うと、少しの沈黙が流れ何かを悟ったように空澄は微笑んだ。


「それって…」

「…かっこいいな、あいつ。」



隆平はちゃんと青田のことわかってたんだ。

俺らにはわからない青田の好みまで…。