誰かが俺を呼んでる…

空澄だ…


泣いてるの?

空澄…どうしたの?



どうしたの…??

泣かないで…


ほら、飴あげるから。

いつもみたいに笑って見せて?


ね、空澄。





「ちゃん…ももちゃ……ん……起きてよー!!」

『っ!!』


俺に向けられた大きな呼び声がして目が覚めた。

幼い頃の夢を見ていた気がする。俺も空澄もまだとても小さくて‥‥あぁ、よく思い出せないや。


「あっ!起きた(笑)おはよう!」

『…………はよ…。』


はぁ??‥‥何で?空澄が?夢の続き…??

上半身を起こしながら今の状況を理解しようとつとめた。


「ももちゃん?早く着替えなよ?」

『…んー………あぁ、泊まったんだっけ…』


定まらない視線を空澄に向け、まだ上手く働かない思考でそう結論づけた。


「早くご飯食べようよー!先に行ってるよ?」

『あー…』


そう言うと空澄は部屋を出ていった


『……(笑)どうだ!矢野っ!』


昨日の矢野に嫉妬の炎を燃やし、矢野の気持ちなど全く無視で

“勝った!”

なんて思ってる俺はやっぱガキだなぁと思う


空澄の好きな相手が矢野だと決まったわけでもないのに‥‥。