―――麗side―――

まさか、こんなことになるなんて想像もしていなかった。

町田さんが俺の家に訪れたのだ。

おそらく、わんちゃんの散歩で。

そうか、ランは町田さんちの犬だったのか。

町田さんのお母さんが散歩しているのと、俺がメリーの散歩しているのが一緒になって、ランとメリーは知り合いになった。

まさか、俺の家まで来るなんて・・・

しかも、俺は眼鏡をしていなかった。

完全な素顔。

でも、町田さんは俺だというのは気づかなかったみたいだ。

どこか、不審がっている様子は窺えたけど。

でも、ギリギリセーフということか。

ま、これも何かの縁だ。

一緒に散歩しよう。