今日は一人かぁぁ・・・。


ここから、寮までは20分ぐらいかな。


外は変わらず真っ暗でザーザー音をたてている。


寂しいなぁぁ・・・・・。


そんな事を考えながら暗い教室を出て玄関に向かった。


靴に履き替えてバックに手を入れる。


傘が・・・ない。


絶望的状況だよ。


冷たい雨がトラウマなのに傘がないよ。


沙雪は小さなベンチに腰掛けて一欠けらの雨が止む希望に託した。


どれ程、時間が経ったのだろう・・・。


雨は止むはずも無くただ空の暗さが増すばかりだった。


「寒い・・・・・・」


6月とは言え日が傾くに連れて沙雪の、か弱い体を寒さが貫く。


諦めた様に・・・沙雪は冷たく暗い空の下、歩き出す事にした。


ピシャッピシャッと足を動かす度に鳴る虚しい音。


永遠に続くような錯覚を覚える。


足がおぼつかない。


震えだす・・・。


寒い・・・・・・。


暗い・・・。


冷たい・・・・・・・。


沙雪の視界が暗くなって行く。