私立天院学院に入学して早2ヶ月・・・。
大嫌いな梅雨が到来していた。
席も窓際と、最悪なシチュエーション。
私の実家は隣町にあります。
この高校は寮生活なのです。
アノ町にはいたくなかったから逃げ出したかったのかな・・・。
「コラッ!!宝城ッッこの問題を言って見ろ!!」
俯いていると、数学教師のハゲジジィの怒声が響く。
「――でしょ??」
だが、いとも簡単に答えてしまう沙雪。
「よ、よろしい・・・」
頭の上がらないハゲジジィに生徒達が笑い声をあげる。
「静かにしないか!!」
またまた声を張り上げる。
「クックッ、さすが沙雪・・・」
隣の男子が無邪気な笑顔を向けてくる。
彼は叶 結城。
長身の上、何でも出来る為モテるケド・・・
超ナルシストでドS男。
だから私はコイツが苦手だ。
「・・・」
沙雪は顔の向きを変えて結城を無視した。
「ケッ無視かよ。まぁそこが沙雪らしいケド!!」
そう言って馬鹿にしたように笑ってみせた。