母親は会社の社長(らしい)
そんな母親はすごく忙しい。
海外にも会社があるらしく、1年の半分は外国で過ごしている。
でもそんな母親も今ではいない
いつからか1年も2年も帰ってこなくなった。
あたしはべつになんでもいいけど。
おばあちゃんはすごく元気な人。
ホントに普通のおばあちゃんなのになぜか人1倍輝いて見えた。
捨てられたことからなのか知らないけど、人とあまり関わらなかった。
なつきもしなかった。
けどおばあちゃんだけにはなぜかなついていた。
そんなおばあちゃんも今ではいない―――
おばあちゃんはあたしにいつも言っていた。
“琳がいつか誰かに心を開いたときはその時は素直になりなさい”
いつも言っていた。
そしてそのあと必ず
“男の人に心が開けたらその人が運命の人なのかもね”
そんな男の人がいるわけないのに、おばあちゃんはいつもいっていた。
