「あんたのことであたしたちもめてんじゃない!」
「ちげぇだろ!おめぇらが琳殴ろうとしたからだろ!」
「えと・・あの・・」

あたしはこの状況どうしたらいんだろ。

「てかおめぇらとっとと消えろ!俺は琳と話がしてぇんだよ!」

「・・・わかったわよ」

ぶっきらぼうに返事して倉庫をでていった先輩たち。

それより・・
「あの、あたしとあなた。初対面ですよね?」

「・・・」

あたしの言葉に佐伯くんは無言。
皐月は隠れながらニヤニヤしてるし・・


「もぉ~じれったいな佐伯!言っちゃいなさいよ!」
「え!?なんで皐月いんの!?」

ん?
“佐伯”“皐月”
「2人、知り合いだったの?」
「あ、琳には言ってなかったね。あたし、こっちに引っ越して気づいたんだけど。佐伯も同じ時期にこっちに来てたらしくて、受けたのも同じ高校だったんだよねぇ~」

どんな偶然よ!

「んで!俺と皐月は幼馴染なんだよ!てかなんでお前いんだよ・・」

「なによ!琳がなにかされたときのために隠れてたのよ!それよりなんであんたこそいるわけ?」


・・・この二人がこの感じなままだと止まらなくなりそう。

「とにかく!佐伯くん!あたしと付き合ってるなんて嘘、何で言ったの!?」

「えっと・・それはぁ~」

急に顔を真っ赤にしたと思えば、ちらちら皐月のほうを見るこの目の前の人物。
あたしが聞いた質問に早く答えてほしいと思いながらも待つあたしって、凄く偉い子だと思う!



皐月がなにかわかったのか、ニヤニヤしながら
「ごっめ~ん!琳、あたし急用思い出したぁ~!先かえるね!んじゃね~」


・・・わざとらしく帰っていった。

皐月が帰ったことはいいとして!

「佐伯くん、なんであんな嘘ついたのよ!」

「えっと・・。柳田さんが、好き・・です!!!!」

さっきは“琳”今は“柳田さん”
自分がなんて言ったかもわかってないのかな?

なんて冷静にいてられない!

「えと、佐伯くんがあたしを好き。・・だからあんな嘘をついた?」


「そゆことです!って、柳田さんは俺のこと知らないよね」

当たり前でしょ。
初めてあった人のことを友達のように知っていたら、怖いでしょ。