「そのための手段が、さつきの手の中にひとつあるんでしょ?」
ひとつ、あたしが持っているもの――
「……番号?」
シンさんの携帯の番号。
「そ。――いい? さつき。手札があるならちゃんと使わないとダメよ。自分に有利な展開ならいけるところまでとことん攻める! シミュレーションの鉄則よ!」
「ゲームでしょ、それ」
中学時代から、マコは携帯のシミュレーションゲームにハマっていて、時々、それを引き合いにして色々とアドバイスめいたことを言ってくれる。
「ゲームでも現実でも一緒。――出来るときにしないと、ターンエンドでチャンスがなくなるのよ。やらない後悔って結構きついんだから」
「それは……そうかもだけど……」
マコの言葉もよく分かるし、あたしのために言ってくれているんだって思う。
でも――だからって、シンさんとプライベートで会うのは……
「軽い気持ちで連絡してみれば? 向こうはお礼がしたいだけなんでしょ? だったら、近所のお店で軽くお茶して喋るくらいでOKなんじゃないの? 向こうだって、まさかそれ以上のことなんて考えていないだろうし」
「う、うん――そうだと思うんだけど……」
「そこで、気が合うか合わないか、試してみれば?」
そう思うと気楽になれるでしょ? って言われたけど。
なぜだか、あたしの心は少し複雑だった。
ひとつ、あたしが持っているもの――
「……番号?」
シンさんの携帯の番号。
「そ。――いい? さつき。手札があるならちゃんと使わないとダメよ。自分に有利な展開ならいけるところまでとことん攻める! シミュレーションの鉄則よ!」
「ゲームでしょ、それ」
中学時代から、マコは携帯のシミュレーションゲームにハマっていて、時々、それを引き合いにして色々とアドバイスめいたことを言ってくれる。
「ゲームでも現実でも一緒。――出来るときにしないと、ターンエンドでチャンスがなくなるのよ。やらない後悔って結構きついんだから」
「それは……そうかもだけど……」
マコの言葉もよく分かるし、あたしのために言ってくれているんだって思う。
でも――だからって、シンさんとプライベートで会うのは……
「軽い気持ちで連絡してみれば? 向こうはお礼がしたいだけなんでしょ? だったら、近所のお店で軽くお茶して喋るくらいでOKなんじゃないの? 向こうだって、まさかそれ以上のことなんて考えていないだろうし」
「う、うん――そうだと思うんだけど……」
「そこで、気が合うか合わないか、試してみれば?」
そう思うと気楽になれるでしょ? って言われたけど。
なぜだか、あたしの心は少し複雑だった。

