「ありがとう。――また来るよ」
「はい、またのご帰宅をお待ちしております」
お会計が終わると、シンさんはいつもの笑顔であたしにそう言ってくれる。
あたしもにっこりと笑って頭を下げて、心の中で「今度はいつだろう?」と呟き、願う。
この前見せてくれた、あの優しい笑顔もまた見たいな――なんて。
さっきも優しく微笑んでくれたけど、不意討ちだったから、気が動転してよく覚えていない。
だから、もう1度みたい……って。
……お店の外なら、見られるのかな?
お店以外なら、あたしはメイドじゃないし、シンさんもお客さんじゃないんだから、あの笑顔をちゃんと見られるのかな――……?
「……ダメダメ、そんなこと――」
シンさんと真治さんを見送ったドアを眺めながら、こっそり呟き、打ち消す。
お店のルール違反だし、なにより――……シンさんの気持ちを知らないんだから。
このお店にいるあたしを気に入ってくれているんだと思う――きっと。
そう考えると、ちょっとだけ胸がもやもやする気持ちを抱えながら。
その理由に自分自身がまだ気付けないまま、あたしはシンさんたちのいたテーブルを片付けるために入口のドアからそっと視線を外して店内に戻っていった。
「はい、またのご帰宅をお待ちしております」
お会計が終わると、シンさんはいつもの笑顔であたしにそう言ってくれる。
あたしもにっこりと笑って頭を下げて、心の中で「今度はいつだろう?」と呟き、願う。
この前見せてくれた、あの優しい笑顔もまた見たいな――なんて。
さっきも優しく微笑んでくれたけど、不意討ちだったから、気が動転してよく覚えていない。
だから、もう1度みたい……って。
……お店の外なら、見られるのかな?
お店以外なら、あたしはメイドじゃないし、シンさんもお客さんじゃないんだから、あの笑顔をちゃんと見られるのかな――……?
「……ダメダメ、そんなこと――」
シンさんと真治さんを見送ったドアを眺めながら、こっそり呟き、打ち消す。
お店のルール違反だし、なにより――……シンさんの気持ちを知らないんだから。
このお店にいるあたしを気に入ってくれているんだと思う――きっと。
そう考えると、ちょっとだけ胸がもやもやする気持ちを抱えながら。
その理由に自分自身がまだ気付けないまま、あたしはシンさんたちのいたテーブルを片付けるために入口のドアからそっと視線を外して店内に戻っていった。

