「――」
ふ、とシンさんの表情が優しくなる。
この間の「優しい笑顔」に近いそれを、ふわりとあたしに向けてくれていた。
思わずこっそりと左右を見たけど、お店にいるメイドはあたしと茜さんだけで、茜さんは用事でキッチンの奥に入っている。
っていうことは――あの笑顔を、あたしに……
「……」
そう思うとなんだか急に恥ずかしくなったけど、何とか笑顔を作って軽く会釈し、そのまま逃げるようにして控えのカウンターの下に潜り、物を探すふりをして心を落ち着かせようとした。
「ふー……」
あー……まだ胸の鼓動が早い……
どうしよう、顔も熱い……早く何とかしなきゃ。
落ち着こうと思えば思うほど、さっきの笑顔が脳裏を過ぎって仕方ない。
そして思い返しただけでも顔が真っ赤になる……
でも――あの笑顔は嫌いじゃない……
そんなことを思いながらも、早く収まるように何度か深呼吸を繰り返していると、
「どうかしたの? さくらちゃん」
戻ってきた茜さんが心配そうに声をかけてきてくれた。
ふ、とシンさんの表情が優しくなる。
この間の「優しい笑顔」に近いそれを、ふわりとあたしに向けてくれていた。
思わずこっそりと左右を見たけど、お店にいるメイドはあたしと茜さんだけで、茜さんは用事でキッチンの奥に入っている。
っていうことは――あの笑顔を、あたしに……
「……」
そう思うとなんだか急に恥ずかしくなったけど、何とか笑顔を作って軽く会釈し、そのまま逃げるようにして控えのカウンターの下に潜り、物を探すふりをして心を落ち着かせようとした。
「ふー……」
あー……まだ胸の鼓動が早い……
どうしよう、顔も熱い……早く何とかしなきゃ。
落ち着こうと思えば思うほど、さっきの笑顔が脳裏を過ぎって仕方ない。
そして思い返しただけでも顔が真っ赤になる……
でも――あの笑顔は嫌いじゃない……
そんなことを思いながらも、早く収まるように何度か深呼吸を繰り返していると、
「どうかしたの? さくらちゃん」
戻ってきた茜さんが心配そうに声をかけてきてくれた。

