このお店には独立した休憩室はなく、着替えるためのロッカールームと兼用になっている。
元々、あたしや茜さんみたいに長時間シフトに入る子がほとんどいないから、休憩時間は必要ないみたいで、それで休憩室がないんだって店長から聞いた。
申し訳程度に置かれている机と椅子のセット。
そこに座って休憩時間を過ごすのがほとんど。
私服に着替えれば外に出てもいいけど、またメイド服に着替える必要があるから、結局はここで過ごす。
休憩に入るため、控えのカウンターを出てお店の奥に行きかけたそのとき、
チリリーン――……
お店の入口のベルが鳴る。
反射的に入口を見ると、そこには――
「やぁ。――ただいま」
店内に視線をさまよわせ、すぐにあたしを見つけて笑いかけてくれる。
――シンさんの姿。
他の子が行きかけたのが見えたから、すぐさま駆け寄るように入口に向かう。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
これがシンさんじゃなかったら、あたしはこんな風にしないのかも。
……っていうのは、きっとメイドさん失格かな。
元々、あたしや茜さんみたいに長時間シフトに入る子がほとんどいないから、休憩時間は必要ないみたいで、それで休憩室がないんだって店長から聞いた。
申し訳程度に置かれている机と椅子のセット。
そこに座って休憩時間を過ごすのがほとんど。
私服に着替えれば外に出てもいいけど、またメイド服に着替える必要があるから、結局はここで過ごす。
休憩に入るため、控えのカウンターを出てお店の奥に行きかけたそのとき、
チリリーン――……
お店の入口のベルが鳴る。
反射的に入口を見ると、そこには――
「やぁ。――ただいま」
店内に視線をさまよわせ、すぐにあたしを見つけて笑いかけてくれる。
――シンさんの姿。
他の子が行きかけたのが見えたから、すぐさま駆け寄るように入口に向かう。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
これがシンさんじゃなかったら、あたしはこんな風にしないのかも。
……っていうのは、きっとメイドさん失格かな。

