あの日以降――……

 シンさんは毎日お店に足を運んできてくれていた。

 あたしがシフトに入っている時間はバラバラなのに、毎日、シンさんと出会う。

 いつものあの温かな微笑みで、あたしを見つめてくれる。

 そして決まって注文するのは、お絵かきオムライスとおまかせパフェに――コーヒー。

 決まっているはずなのに、毎回楽しそうにメニューを眺めている。

 そんな様子が、なんだか見ているこっちまで楽しくなってしまう。

 そして――あたしを見つめてくれている視線。

 あたしもシンさんを時々ちらりと見てるから、視線がぶつかることもよくある。

 そんな時の、あのシンさんの温かな目――……

 何かを語りかけてくれるような、優しく包み込んでくれる目。

 視線がぶつかると、思わずドキドキして控えのカウンターに隠れてしまう。

 平常心でいなきゃ、って――いっつも思っているけれど。

 でも……それが出来ないから、こうしてドキドキしてしまう。

 どうして? って疑問はすぐに解決する。

 あの「偶然」ということにした、数日前の出来事があったから――……