気を抜くと考えるのは、シンさんのこと。
しかも、さっきの出来事をずっとリピート。
どきんとした微笑みに、男らしい指の感触、それに――あの優しい様子。
仕事をおろそかにしていたわけじゃないけど、それでも、合間には無意識でシンさんのことを考えていたように思う。
「さくらちゃん」
「はい、ご主人様」
呼ばれて、慌てて意識を仕事に向ける。
いけない、いけない――仕事に集中しなきゃ。
「お呼びですか? ご主人様」
あたしを呼んだのは、今日も来てくれた常連の大山さん。
「――ごきげんですね。なにかいいことがあったんですか?」
あたしの顔をじっと見ると、大山さんは眼鏡を押し上げてそう言う。
「え? やだぁ、そんなことないですよ、いつもどおりですから」
そんなに顔や態度に出てたのかな?
さっきの出来事があたしにとって「いいこと」だった……ってことよね。
「ふぅん――まぁいいです。……おまかせパフェ、ひとつ」
「はい」
にこやかに頷いたあたしは気がつかなかったけど、大山さんの顔は憮然としていて、しばらく思案顔だった――らしい。
しかも、さっきの出来事をずっとリピート。
どきんとした微笑みに、男らしい指の感触、それに――あの優しい様子。
仕事をおろそかにしていたわけじゃないけど、それでも、合間には無意識でシンさんのことを考えていたように思う。
「さくらちゃん」
「はい、ご主人様」
呼ばれて、慌てて意識を仕事に向ける。
いけない、いけない――仕事に集中しなきゃ。
「お呼びですか? ご主人様」
あたしを呼んだのは、今日も来てくれた常連の大山さん。
「――ごきげんですね。なにかいいことがあったんですか?」
あたしの顔をじっと見ると、大山さんは眼鏡を押し上げてそう言う。
「え? やだぁ、そんなことないですよ、いつもどおりですから」
そんなに顔や態度に出てたのかな?
さっきの出来事があたしにとって「いいこと」だった……ってことよね。
「ふぅん――まぁいいです。……おまかせパフェ、ひとつ」
「はい」
にこやかに頷いたあたしは気がつかなかったけど、大山さんの顔は憮然としていて、しばらく思案顔だった――らしい。

