メイドの待ち伏せ禁止も、お店のルールにある。
悪質な場合は、お店に出入り禁止になる場合も。
あたし自身、過去に何回か危ないお客さんに後をつけられそうになったりしたけど、そのたびにお店やタクミのお世話になって、無事でいる。
「――うん、禁止なんだよね? お客がメイドさんを待ってるのって」
全部言い切る前に、シンさんがさらりとあたしが伝えたかったことを口にする。
「メニューの端に書いていたよ。メイドとご主人様が楽しく過ごすためのお約束事、っていう項目の中にね」
……確かに、メニューの端っこに「お願いごと」みたいな感じでメイドの可愛いイラストと一緒に書いていたっけ……
「え……じゃあ――……」
拍子抜けしたあたしは、ものすごく間の抜けた顔をしていたと思う。
シンさん、ちゃんと読んでくれていたんだったら、どうして今……
「ごめんね、どうしても気になっちゃって……ぼく、1度気になっちゃうと、どうしても放っておけないんだ」
「はぁ――」
話が見えなくて、生返事みたいになっちゃったけど、頭の中ではシンさんの言葉の意味を理解しようと、フル回転。
「……」
ふっと笑顔が消え、もごり、と少し言いにくそうに口を歪ませて視線を伏せたシンさんだったけど、意を決したような表情になって再びあたしを見てさっきよりも小さな笑顔になると、ゆっくりと唇を開いた。
悪質な場合は、お店に出入り禁止になる場合も。
あたし自身、過去に何回か危ないお客さんに後をつけられそうになったりしたけど、そのたびにお店やタクミのお世話になって、無事でいる。
「――うん、禁止なんだよね? お客がメイドさんを待ってるのって」
全部言い切る前に、シンさんがさらりとあたしが伝えたかったことを口にする。
「メニューの端に書いていたよ。メイドとご主人様が楽しく過ごすためのお約束事、っていう項目の中にね」
……確かに、メニューの端っこに「お願いごと」みたいな感じでメイドの可愛いイラストと一緒に書いていたっけ……
「え……じゃあ――……」
拍子抜けしたあたしは、ものすごく間の抜けた顔をしていたと思う。
シンさん、ちゃんと読んでくれていたんだったら、どうして今……
「ごめんね、どうしても気になっちゃって……ぼく、1度気になっちゃうと、どうしても放っておけないんだ」
「はぁ――」
話が見えなくて、生返事みたいになっちゃったけど、頭の中ではシンさんの言葉の意味を理解しようと、フル回転。
「……」
ふっと笑顔が消え、もごり、と少し言いにくそうに口を歪ませて視線を伏せたシンさんだったけど、意を決したような表情になって再びあたしを見てさっきよりも小さな笑顔になると、ゆっくりと唇を開いた。

