今日はタクミもバイトのはず。
だけど時間が違うのかな? いつもあたしを待っている壁にタクミの姿はない。
一瞬考えたけど、携帯を取り出してメールを打つことにした。
『今、バイトが終わってお店を出たところ。駅に向かうね』
タクミのお店のほうが駅に近いから、終わる時間が近いなら同じ電車になるかも。
3月の終わりのほのかな暖かさを感じながらも、まだほんのりとやってくる寒さに、パステルピンクでトレンチタイプのスプリングコートの襟を少し寄せ、日が沈もうとしている街の裏路地を歩きかける。
メールを送信し、携帯を閉じてトートバッグの中にしまって駅へ向かう道を急ぎかけたそのとき、
「――あ、ひょっとしてきみは……さくらちゃん?」
不意に後から声がかかる。
「え?」
その声に覚えがあったあたし。
低く響くようでいて、甘くて明るい印象のその声。
まさか……?
「――……」
思わず振り返ると、そこにはあたしの予想通りの人物が立っていた。
シンさん――……が。
だけど時間が違うのかな? いつもあたしを待っている壁にタクミの姿はない。
一瞬考えたけど、携帯を取り出してメールを打つことにした。
『今、バイトが終わってお店を出たところ。駅に向かうね』
タクミのお店のほうが駅に近いから、終わる時間が近いなら同じ電車になるかも。
3月の終わりのほのかな暖かさを感じながらも、まだほんのりとやってくる寒さに、パステルピンクでトレンチタイプのスプリングコートの襟を少し寄せ、日が沈もうとしている街の裏路地を歩きかける。
メールを送信し、携帯を閉じてトートバッグの中にしまって駅へ向かう道を急ぎかけたそのとき、
「――あ、ひょっとしてきみは……さくらちゃん?」
不意に後から声がかかる。
「え?」
その声に覚えがあったあたし。
低く響くようでいて、甘くて明るい印象のその声。
まさか……?
「――……」
思わず振り返ると、そこにはあたしの予想通りの人物が立っていた。
シンさん――……が。

