初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】

 いつものように嬉しそうにパフェを頬張るシンさんを、見るとはなしに眺めつつ。

 他の仕事をこなしていくあたし。

 それに――

「……」

 パフェを食べているときも、食べ終わってリラックスしているときも。

 ふっと視線を感じると、シンさんがあたしを見ていた。

 にこにこ、と。

 その視線に変な感じはなくて、ただ純粋に微笑んであたしを見てくれてる感じ。

 初めての感覚――かも。

 ちょっと意識しそうになるけど……極力いつも通りを心がけて仕事をこなす。

「さくらちゃん」

「はい。ただいま参ります」

 別のお客さんやメイド仲間の子たちに呼ばれて仕事をしながら、あたしも無意識でふっと視線を向こうへやってしまう。

 するとにこにことあたしを見ているシンさんと視線がぶつかって、慌てて視線をそらして仕事に集中させるけど。

「……」

 でも……なんだか見ちゃうのはどうしてかな?

 ――その後も、シンさんは帰るまであたしのことをじっと見ていた。