「あ……えと……分かるかなぁ? しじお。うん、そう。シジオ、シン。ぼくの名前、シジオシン、です」
宙に書いてくれた名前を注意深く見ながら、近くにあったメモ帳に試し書き。
「――こう、ですか?」
宙を書く字を見ながら書いたのは「志地雄 シン」という名。
「うん、そうそう。その字だよ」
「はい、かしこまりました」
あたしの書いた字に、こくこくと頷いてくれたから、あたしも笑顔で頷いてから署名欄に丁寧に名前を書き、それを両手で子供っぽい人に手渡す。
「ありがとう」
にこやかにそれを受け取ってくれると、すぐにジャケットの内ポケットへと入れてくれた。
「そちらのご主人様にもカードをお作りいたします。――あ、さっき一緒にこちらに押してしまいましたので、こちらにはスタンプは押せませんけれど……」
あたしは冷静な人の顔も見てそう言うと、
「えぇ、結構ですよ。――私は、木戸真治です」
字の説明を受け、一旦メモ帳に書いて漢字を確認しながら2枚目のカードに名前を書き込み、それを冷静な人に渡すと、冷静な人も笑って「ありがとう」と言ってジャケットのポケットへ。
「また来るよ」
「はい、またのご帰宅、お待ちしております」
「あぁ――そっか。メイドさんがいるから、帰宅になるんだね」
うんうん、と頷きながら、子供っぽい人はにこやかに「また帰ってくるね」と言って、冷静な人が先に出て開けてくれたドアに向かい、店から出て行った。
宙に書いてくれた名前を注意深く見ながら、近くにあったメモ帳に試し書き。
「――こう、ですか?」
宙を書く字を見ながら書いたのは「志地雄 シン」という名。
「うん、そうそう。その字だよ」
「はい、かしこまりました」
あたしの書いた字に、こくこくと頷いてくれたから、あたしも笑顔で頷いてから署名欄に丁寧に名前を書き、それを両手で子供っぽい人に手渡す。
「ありがとう」
にこやかにそれを受け取ってくれると、すぐにジャケットの内ポケットへと入れてくれた。
「そちらのご主人様にもカードをお作りいたします。――あ、さっき一緒にこちらに押してしまいましたので、こちらにはスタンプは押せませんけれど……」
あたしは冷静な人の顔も見てそう言うと、
「えぇ、結構ですよ。――私は、木戸真治です」
字の説明を受け、一旦メモ帳に書いて漢字を確認しながら2枚目のカードに名前を書き込み、それを冷静な人に渡すと、冷静な人も笑って「ありがとう」と言ってジャケットのポケットへ。
「また来るよ」
「はい、またのご帰宅、お待ちしております」
「あぁ――そっか。メイドさんがいるから、帰宅になるんだね」
うんうん、と頷きながら、子供っぽい人はにこやかに「また帰ってくるね」と言って、冷静な人が先に出て開けてくれたドアに向かい、店から出て行った。