それからも、あたしは他のお客さんの接客をしながら、何気にあのテーブルを見るとはなしに見ていて。

 シン、って呼ばれた子供っぽい人は、ずっと嬉しそうにパフェを食べていた。

 コーヒーを頼んでいた冷静な人も、口元に微笑みを刻んだまま、コーヒーを口にしたり、子供っぽい人を見ていたり。

 時々、口を動かしていたから、会話もしていたと思う。

 ……っていうか、見すぎてたかも。

「ありがとうございました」

 あの2人が席を立ったから、たまたま手が空いたあたしはそのままレジへ。

 お店の雰囲気を損なわないよう、レジも表面上はレトロなデザインのレジ。

「はい、これ。お会計は一緒で」

 子供っぽい人が伝票を持ってあたしに手渡してくれた。

 イメージ的には、冷静な人がお会計しそうな感じだったんだけどなぁ――ちょっと意外?

「ありがとうございます」

 手渡された伝票を受け取り、レジに打ち込みかけたとき、

「ねぇ、ぼくの顔に何かついてた?」

 不意に子供っぽい人があたしにそんなことを。

「えっ?」

「いや――時々ぼくの顔を見ていたから、なんとなく」

「あっ――その、あの……申し訳ありませんでした」

 不快にさせちゃったかも――と、慌ててあたしは頭を下げた。