初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】

「……ごめん、変なこと言っちゃったね」

 あたしの言葉を聞いて、シンさんは申し訳なさそうに小声で謝ってくれる。

「いいえ、謝らないでください。――シンさんと今日、こうして会うことが出来ただけであたしは満足なんです」

 ――嬉しいんです。

 その目を見ることが出来なかったし、すごく小さな声だったけど……

 でも、その「嬉しい」って言葉を伝えることが出来た。

「ずっとバイト三昧で、最近は友達と遊ぶこともなかったんですけど、今日はこうしてシンさんと会ってランチをご馳走になって、お喋りをさせてもらって……すっごくリフレッシュできました」

「――そっか、よかったよ」

「はい。――あ、これってある意味シンさんに助けられたって言っても嘘じゃないですよね」

 バイト三昧の変わらない生活に、大人のエスコートでランチとお茶を楽しませてくれたシンさん。

 緊張したり場違いな服装にへこんだりもしたけれど……でも、シンさんの気遣いでリラックスもリフレッシュも出来たと思う。

「……何かを支援することだけが助けじゃない、か――」

 納得したように小さく独り言のめいて呟き、シンさんは少し思いつめていたような表情を見せていたけど、すぐにいつもの微笑みに変えてくれると、

「まだ時間が大丈夫だったら、ここから出て、もう少し街並みを一緒に眺めないかな?」

 あたしの左手を握ってくれているシンさんの手に、また少し力がこもる。

「さつきちゃん――ぼくと、ドライブに行ってくれませんか?」

 なにかを提案するときの柔らかい丁寧な口調で、次のプランを提案してくれた。

「――はい」

 もう少し一緒にいたい――

 それは、あたしも心の底で思っていたこと。

 そして……あたしはゆっくりと自分の本音を明確に自覚し始めていた――かもしれない。