初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】

「お待たせいたしました。お任せパフェでございます」

 トレイにパフェを乗せ、テーブルの上にそれを置くと、

「わぁ!」

 やっぱり子供っぽい人はとっても嬉しがってくれた。

「失礼いたします」

 差し出したパフェ用の柄の長いスプーンをペーパーナプキンの上に置き、向こうへ行こうとしたら、

「あ、待って」

 不意に子供っぽい人があたしに声をかけ、呼び止められる。

「はい?」

 少し驚いた顔になったけど、かろうじで笑顔を保ちながら振り向いて返事。

「このパフェにもイメージってあるの?」

 笑顔だけどわくわくしているような表情で、あたしにそう聞いてきた。

 さっきのオムライスであたしがイメージして描いたから、お任せパフェもイメージしたのかなって思ったのね。

「はい。ご主人様の温かな笑顔のイメージで、オレンジソースにしました。味も、甘いバニラにさわやかなオレンジは合うと思いまして」

 だから正直に自分の抱いたイメージと、オレンジソースを選んだ理由を話す。

「そっか――うん、すごく嬉しいよ。ありがとう!」

 それを話すと、やっぱりものすごく喜んでくれて、すっごく嬉しそうにパフェスプーンを手にしてぱくぱくぱく、と食べ始めてくれた。