初恋は前途多難! ~朗らか社会人とメイド女子高生 【1:出会い編】

「うーん、なんだか楽しいメニューが一杯だね」

「――シンさん。メイドさんが来てくれましたから、そろそろ注文を」

 冷静な人が、シンさんと呼んだ子供っぽい人に声をかける。

「あぁ。じゃあ――お絵かきオムライスと、メイドさんのおまかせパフェ!」

 メニューを眺めながら、嬉しそうに子供っぽい人があたしを見上げてその2品を頼む。

「――私は、普通のコーヒーをお願いします」

 子供っぽい人の注文が終わると、続いて冷静な人があたしに自分の注文を告げてくれて。

「はい、かしこまりました」

 2人のオーダーを聞くと、一緒に持ってきていた伝票にメニューを書き込み、

「少々お待ちくださいませ」

 頭を下げてそう言うと、

「はーいっ」

 子供っぽい人が、にこにことあたしに返事してくれる。

 あたしもにこやかに笑顔を返してテーブルから離れて行く。

「……」

 オーダーのためにカウンターに戻りながら。

 本当に今まで来たことの無いタイプの人だな――なんて、思っていた。

 子供っぽい、でもすごく明るい朗らかそうな人――

 それが、第一印象だった。