「ありがとうございます。お返しは200円でございます」
100円玉を2枚、手のひらに載せて確認してもらってから、くるりと手を返して硬貨を包み、あたしの前に自然に差し出してくれているシンさんの手のひらにそっと載せるようにして手渡す。
落とさないように、左手をシンさんの手の下に添えながら。
そのときにわずかに触れるシンさんの手に、いつもドキドキする。
「ありがとう」
それを受け取ると、シンさんはいつも決まってズボンのポケットにしまう。
おつりの後でスタンプカードを押して返すのが決まりなんだけど――
「――あ」
いつものようにカードに押そうと、お店で決まっているリボンのマークのスタンプを手にして2つ折のそれを開いたとき、あることに気がつく。
「もうカードが一杯になったんですね」
カードにあるスタンプ用の空欄は、残り1つ。
500円につき1回だから、残りは新しいカードに繰り越し。
「あ、そうなの?」
シンさんもカードを覗き込み、それから「本当だ」と呟く。
「ありがとうございます。早速新しいカードに残りは繰り越しいたしますね。その間に、たまったカードでの特典を考えてくださいね、ご主人様」
ひとまずスタンプを1つ押して空欄を埋めたあと、それをシンさんに返し、あたしは新しいカードに残りの分のスタンプを捺印していった。
100円玉を2枚、手のひらに載せて確認してもらってから、くるりと手を返して硬貨を包み、あたしの前に自然に差し出してくれているシンさんの手のひらにそっと載せるようにして手渡す。
落とさないように、左手をシンさんの手の下に添えながら。
そのときにわずかに触れるシンさんの手に、いつもドキドキする。
「ありがとう」
それを受け取ると、シンさんはいつも決まってズボンのポケットにしまう。
おつりの後でスタンプカードを押して返すのが決まりなんだけど――
「――あ」
いつものようにカードに押そうと、お店で決まっているリボンのマークのスタンプを手にして2つ折のそれを開いたとき、あることに気がつく。
「もうカードが一杯になったんですね」
カードにあるスタンプ用の空欄は、残り1つ。
500円につき1回だから、残りは新しいカードに繰り越し。
「あ、そうなの?」
シンさんもカードを覗き込み、それから「本当だ」と呟く。
「ありがとうございます。早速新しいカードに残りは繰り越しいたしますね。その間に、たまったカードでの特典を考えてくださいね、ご主人様」
ひとまずスタンプを1つ押して空欄を埋めたあと、それをシンさんに返し、あたしは新しいカードに残りの分のスタンプを捺印していった。

