黙ったままの俺を、不思議そうな顔をして、 「リュウさん?」 と呼んだ。 はっとして、心の中を見透かされたような錯覚に陥った。 「俺、何か言った?」 「ううん。別に何も…。」 「そ…そか。のぼせそうだから先に出るわ。」 焦った…。ヤバい。相当溺れてんな俺。 おい、隆一。もっとしっかりしろ! 自分の頬をパンパンと叩いた。