とりあえず私が開いてる『truth』に行った。



「すっごいお客さんー」

 夕菜ちゃんはあんぐり。



 ショッピングモールだからたくさんのお店が並んでるけど…他の場所とは比べ物にならない。


「いらっしゃいませー」



 笑顔で店員さんが迎えてくれる。



「ねぇ…この人優枝ちゃんが笠見財閥の令嬢ってこと知ってるの?」

「…知らないと思うよ?」



 こそこそ話す私たちは店員さんから見たら不愉快かもしれないね。



「なっ、何かお探し物ですか?」

「えーっと…彼氏///の誕生日プレゼントを…」

「彼氏さんですか。予算は…いくらぐらいでしょう?」


 予算…?



「いくらでも…」

「一番高いもので300万がありますが…それはさすがにないですよね?」


 きっと、私のデザインした時計だ。



 宝石がいくつか埋めてある男性用の時計。



 夕菜ちゃんも時計にするって言ってたけど…私も時計でいいかな?


 ちらっと夕菜ちゃんのほうを見た。



 夕菜ちゃんは私の視線に気づいてウィンクをした。