「君さ、何がしたいのかな?」


 歩夢君は不思議そうにじっと睨んだ。



「え? 私はただ…歩夢君とぉラブラブしたいだけだよぉ? 彼女としてぇ♪」

「…いつから君が彼女になったの? 俺には夕菜がいるよ」

「えー…いつからってぇ産まれた時からだよぉ~?」

「…頭おかしいんじゃないの?」



 軽蔑した目で見たまま歩夢君は一歩下がって私の前に手をだした。




「優枝ちゃんに何かしてみろよ。世界中の奴を敵に回すことになるから」



 今までと確実に違う口調でそう言うと夕菜ちゃんを抱きしめたまま私の手を引っ張って教室のドアに向かった。




「どうして敵に回すことになるのぉ? 敵に回されるのはあなたたちでしょぉ?」




 歩夢君はそんな言葉を無視してドアに向かう。





 もうひとつの手でドアの取っ手に触れようとしたとき…ドアが開いた。