「よっ、よかったぁ~…」

「何が」

「だって…果菜実さんには敵わない気がするんだもんっ…」

「は?」

「蓮が遠くに行っちゃいそうな気がしたっから…ッ…」



 果菜実さんはキレーだし、賢いし…何一つ敵いそうにない。



「何が敵いそうにねぇの?」


「顔」

「俺は優枝の顔のほうがタイプ」


「勉強」

「あいつカンニング魔だし」


「お料理」

「手作り弁当に見せかけてあれは家の一流シェフが作ったもんだな」


「性格」

「優枝のほうがよっぽどマシだけど…?」




 ~…うぅ…




「蓮~…本当…?」

「嘘言ってどうする。」

「…ふぇ…っ…蓮…大好きっ…」

「知ってるっつーの…それよりさ…立石の趣味…ウケる」

「お父さんの趣味でしょ?」

「いや…父親のものが立石の部屋になんかねぇだろ」

「そう…かな…?」






 まぁ…とにかくよかったよー…。