だけど、それすらも神様は裏切った。
目の前の光景が再びよみがえる。
紅くんとひかりが向こう側からくるのが見えた。
思わず物影に隠れるあたし。
2人はただ並んで歩いたまま昨日とはまた別の店に入った。
悪いとわかっていながらも、気づくとあたしは2人と同じ店に入っていった。
隣の棚には紅くんとひかり。
商品の隙間からギリギリ姿を確認できる。
「あ、これかわいいかも。」
ひかりがいつもと変わらない調子で指輪を手にとる。
ひかりにしては珍しい女の子らしい指輪。
「ホントだ。
でもこっちもかわいいんじゃない?」
紅くんもいつもと変わらないや。


