そんなある時、彼女はあわてて店に入ってきた。 息を切らせて、体をガクガクと震わせながら。 たまたま俺しかいなかった店内は、優華が入ってきたことで、一気に騒がしくなった。 「どうしたんだよ、そんな慌てて。」 「……し、知らない人につけられて……。」 相当怖かったのか、優華は荒い呼吸を繰り返す。 「とにかく、控え室に行こう。話はそこで聞くけど、話せそう?」 弱々しく首をたてに降ったことを確認した俺は、優華の肩を抱いて立ち上がらせた。