家が隣同士なうえに、部屋も並んでいるあたしたちの部屋。 お互いの部屋を行き来するときは、部屋から部屋へとびうつれるくらい、家と家の間隔は狭い。 そのせいもあって、あたしと篤人にとって、玄関は部屋の窓なのだ。 何かと乗り込んでくる篤人は、学校から帰ってくるあたしよりも先に、あたしのベッドの上で寝転がっていることも少なくない。 異性とか年頃とかっていう壁は、あたしたち2人には存在しない。