「さえ?」 どれくらいたったのか、時間の感覚さえも忘れてしまったあたしを現実に呼び戻したのは篤人だった。 「お疲れさま。 結構早かったじゃん。」 「さえこそ、いつから待ってたんだよ。」 「さあね。 で、どうだったわけ?」 聞きたくない。 一番最初に感じたこと。 でも、あたしはもう避けられないところまで来てしまったんだ。 「ダメだった。」