「あ、さえどこいってたの〜?
あんたがいない間に3人、あんたに伝言残してったよ。」
中学からの友達がニコニコとしながら言った。
「誰?」
「えーと、三組の原くんと、五組の梶原。
あと、1コ上の渡辺先輩♪めっちゃカッコよかったぁ〜。
大変だねぇ。モテる女の子ってのは。彼氏との約束も後回しか。」
「彼氏いないから、時間だけはがら空きだけど。
で、どこに来いって?」
幸い3人とも別の時間、別の場所に呼ばれたあたし。
気を使ってなのか、渡辺先輩とやらは学校の近くの喫茶店で待ってくれるらしい。
友達曰く
「渡辺先輩だよ!!
性格だっていいし、顔なんてモデルレベルじゃん♪
さえとちょおお似合いだよぉ。」
篤人もカッコいいほうの部類に入るだろうけど、渡辺先輩と言えばそういえば何度か見たことがある。
廊下をあるけば女の子たちは振り返って顔を赤くさせるし、男子さえも一目置いているのだから、相当だ。
篤人にはないところを、その人はきっと、たくさん持っているだろう。
けど、そこを持っていないからこそ、篤人らしさがでるんだ。


