「そういえばさえって好きなヤツいんの?」 どんだけ鈍感なんだよ、こいつ。 生まれてからずっと一緒にいるくせに、何もわかってない。 「いるよ。」 「マジ!?だれだれ? もしかしてこの学校?」 好奇心で目を輝かせる篤人。 こんな顔して。 自分って言われる可能性を全く考えていないバカ。 「なぁっ!! 俺の好きなヤツ知ってんだから教えろよ!!なぁっ!!」 「ヤダ。 死んでも言わない。」 あんたが戸惑う顔が目に浮かぶから。